CASE
株式会社ジェーシービー [人事制度設計・導入/組織人事アドバイザリーサービス/業務能力向上ワークショップ] プロジェクト期間:7ヶ月
海外事業のさらなる成長を目指し、経営戦略と連動した人材マネジメントポリシーの策定に着手
OVERVIEW
海外へビジネスを展開する潮流が加速する中で、事業戦略に見合った組織体制や人材マネジメントをどのように構築していくかは、多くの企業にとって共通する経営課題です。
株式会社ジェーシービー様では、中期経営計画の策定をきっかけに、ASEANエリアを中心とする海外拠点において経営戦略と連動した人材マネジメントポリシーの見直しに着手されました。
榎本紘也 国際本部国際統括部企画グループ主事
戸田峻介 国際本部国際統括部企画グループ次長
黒崎洋之 国際本部ASEAN営業部次長
南 知宏 TMHR Advisory & Coaching合同会社 CEO
CHAPTER 01
中期経営計画の策定を契機に、海外拠点の人材マネジメント見直しを開始。
今回、海外拠点の人材マネジメントポリシー策定支援をさせていただきました。改めてプロジェクトが発足した背景についてお聞かせください。
戸田氏
今回のプロジェクトのきっかけとなったのは、中期経営計画の策定です。海外事業における今後4年間の成長戦略を描く中で、戦略を実現するための海外拠点の体制づくりや、人材マネジメントをどうするかという課題意識がありました。
特に、ASEANエリアは今後の自社の成長を牽引する重要な市場であり、現地拠点の組織力強化やマネジメントの高度化は避けて通れないテーマです。近年、事業の拡大と組織の成長が次のフェーズに移行してきている感覚もあり、新しいステージに進むためには、もう一段上の人材マネジメントが必要だと感じていました。
経営計画が入り口となり、その実現に向けて現地の体制強化や人材マネジメントの見直しを進めたいとお考えになったのですね。
戸田氏
はい。一般的に、経営計画では必要な人数や体制といった定量的な側面にフォーカスして語られます。しかし、実際には、社員一人ひとりの意識やモチベーション、組織としてのあり方が成果に与える影響も大きいです。
そのため、中期経営計画というタイミングで改めて「各海外拠点における組織の理想像とはどのようなものなのか」を定義し、その実現に向けた人材マネジメントポリシーを構築する必要があると考え、今回のプロジェクトを立ち上げました。
CHAPTER 02
同じ目線に立ち、課題解決に向けた力強い支援を受けられる点が導入の決め手。
パートナーとして弊社を選んでいただいた理由について教えてください。
榎本氏
決め手は、「JCBの事業に対する理解の深さ」と、「戦略人事の実装に向けた具体的なフレームを有していること」の2点です。
TMHRさんは、これまでJCBの事業をそばで見てくださったパートナーであり、しっかりと事業の課題を把握している点で大きな安心感がありました。加えて、私たちが目指す戦略人事の考え方に近いフレームを提供している点も、ニーズに合致していました。
スピード感を持って戦略人事を実現するには、その分野に精通しているパートナーが必要です。その点で、JCBへの理解が深く、人事分野の専門家である南さんは最適なパートナーだと感じました。
プロジェクトを遂行する中で、難しさがあったのはどういった部分でしたか?
榎本氏
「戦略人事とは何か」をそれぞれの拠点長に理解してもらうことは難しさを感じましたね。
中期経営計画を策定する中では、「人事領域について体系的に学ぶ機会や時間が無い」といった課題は挙がっていましたが、「戦略人事をやるべき」という認識や行動まではそれほど浸透していない状況でした。
そのため、戦略人事の必要性をどのように伝え、拠点長にいかに動いてもらうかは、非常に難しいポイントでした。
拠点長の理解や納得感を高めるうえで、弊社の伴走支援はどのようにお役に立ちましたか?
榎本氏
会社からの一方的なメッセージ発信ではなく、拠点長が自ら考え、設計し、アウトプットしていくプロセスをとる中では、TMHRさんのオンラインや現地でのワークショップが大きな役割を果たしました。
特に印象的だったのは、ジャカルタでのワークショップです。拠点長たちが2030年の事業と組織の姿を考える機会は、活動の重要性が一気に腹落ちした瞬間だったと思います。
それぞれの拠点長は初めから「戦略人事を進めるべきだ」とわかってはいたものの、なかなか一歩踏み出せない状態だったのかもしれない、と感じました。ワークショップの中で、自分ごと化して進めていくステップをたどったことは、大きな意味があったと感じます。
プロジェクトを振り返って、現場に訪れた変化や、拠点長から寄せられた声などがあればお聞かせください。
榎本氏
各拠点長からは「これまで重要だと感じつつ、自分だけでは踏み込めなかったテーマにしっかり向き合えた」とか、「拠点の未来を考える時間が取れたことが非常に有意義だった」という声が聞かれました。
日々の業務に追われる中では、組織のあり方について考える時間はなかなか取れません。今回のプロジェクトを通じて、後回しになりがちなテーマに向き合う時間を確保したことで、拠点長の意識が変わるきっかけになったのではと思います。
回を重ねる中で徐々に戦略人事への理解が深まり、課題を整理しながらフレームに当てはめていくことで、これまで曖昧だった「事業の成長と組織の姿」の関係性が整理されました。「この事業フェーズでは、こういうチームであるべき」という具体的なイメージが持てるようになったようです。
イメージの輪郭がはっきりすれば、今後取り組むべき施策も明確になります。実はそれこそが、私たちがプロジェクト発足前に目指していた姿です。今回の人材マネジメントポリシーの作成が、意義ある取り組みだったとわかったことも一つの成果となりました。
CHAPTER 03
各拠点が目指す組織像を描き、未来への第一歩を踏み出した。
最後に、海外拠点の組織づくりに対して難しさを感じている日系企業に向けたアドバイスをお願いします。
黒崎氏
今回のプロジェクトでは、フレームワークを基礎からしっかり学ぶことに加えて、自分たちの組織の未来を考える時間を持つことにも取り組みました。この両方の取り組みに加え、講師による1on1や拠点長同士が対面でコミュニケーションをとる場があったことで、リアリティを持って組織運営の課題に向き合えたと思います。
経営計画に即した組織づくりを進めたい企業の皆さんは、座学・コミュニケーション・ワークといったバランスの良い学びを行うといいのではないでしょうか。
他社の取り組みを事例として知ることができたのも、大きな学びになりました。経験豊富な講師からの情報共有により、「そんなチャレンジをしている会社もあるのか」と新たな気づきを得られたと思います。
異業種であっても、日本から海外進出している企業ならではの悩みや課題は共通する部分もあります。他社の事例を知ることで、自社の課題を客観的に捉え直し、「自分たちもやってみよう」という前向きな意識変化へとつながりました。
定期的に外部の知見を取り入れていくことが、グローバル人材マネジメントの基盤を強くする一助になると実感しました。
今回、拠点長同士がワークショップで対話する機会を通じて、横のつながりが生まれたことは重要な変化です。海外拠点のリーダーは孤独になりやすい傾向がありますが、相互に学び合う場を設けたことで、継続的な情報共有の土台が築かれました。
海外拠点が複数ある企業では、拠点長同士のネットワークを築きコミュニケーションを促進すると、孤独の解消や新たな発見が生まれるのではないかと思います。
