コンプライアンスは、単に人事部門だけの責任ではありません。経営陣が果たすべき重要な責任です。
『グローバル企業のための新日本型人材マネジメントのすすめ』で紹介している、ある事例では、海外子会社で定例の給与計算業務を引き継ぐ際、給与システムに何年も登録されたままになっていた複数の“幽霊社員”の存在が発覚しました。
この問題は、決して個人の不正行為だけで片付けられるものではなく、長年にわたり見過ごされてきたガバナンスや監督体制、そして業務管理における組織的な弱点が露呈した結果だったのです。
だからこそ、不正の防止を個人のモラルや信頼関係だけに委ねるわけにはいきません。明確なプロセスを定め、適切な監督と定期的な監査を行い、不正を隠蔽させない仕組みを整えることが不可欠です。
この事例を通じて私が最もお伝えしたいのは、ひとたびこうした事態が起きれば、ステークホルダーが問うのは“誰に責任があるのか”だけではないということです。彼らは同時に、“組織として、それを防ぐためにどんな仕組みを構築していたのか”という厳しい目を向けます。
効果的な人材マネジメントとは、単なる人材育成に留まらず、従業員や顧客、そして社会から一貫して信頼される組織そのものを築き上げることです。
これは『グローバル企業のための新日本型人材マネジメントのすすめ』に掲載されている数多くのケーススタディの一例に過ぎません。
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