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2025.10.28

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日本の旅行業界の人材需給

日本の観光業界は需要が過去最高を記録する見込みですが、人材不足という課題が深刻化しています。

World Travel & Tourism Council(世界旅行観光協議会)のレポート「観光産業の未来の労働力」によれば、2035年までに日本が世界で最も深刻な観光労働力不足に直面し、労働力の需給ギャップは29%に達すると予測されています。一方で、政府が掲げる2030年までの年間6,000万人の外国人観光客を誘致する目標は、同業界の成長意欲を浮き彫りにしています。

この対比が示すのは、経済成長目標と労働力の実態との乖離という根本的な課題です。

新型コロナ禍後、多くの熟練観光従事者が安定した職場を求めて業界を離れました。その後の回復策は需要創出に重点が置かれ、人材再生への取り組みが不十分でした。

この不均衡を解消するには、ビザや自動化だけでは不十分です。日本には観光業のための包括的な人材戦略が必要です。サービス業を専門職として再定義し、継続的な学習に投資し、現場の役割に誇りと目的意識を育む戦略が求められます。

なぜなら、観光業の本質は「人と人とのビジネス」だからです。成長目標だけでは持続できません。情熱を持ち、能力を備えた人材こそが、観光業を支えるのです。

#Japan #WorkforceStrategy #Tourism

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