AIは、職場における学びのあり方を大きく変えようとしています。
定型業務の自動化が進むにつれ、従業員が日々の実務を通じて自然と判断力を養う機会は、今後減少していく可能性があります。
これまで多くのプロフェッショナルは、経験豊富な先輩の働きぶりを観察し、正解のない曖昧な状況を切り抜け、意思決定のプロセスを間近で見ることで、独自の職業的直感を少しずつ磨いてきました。
人事マネジメントを担う立場として、私はこうした時代だからこそメンタリングの重要性がますます高まっていると確信しています。メンタリングの本質は、意思決定の背景にある思考プロセスを共有することにあります。経験豊かなリーダーであれば、リスクをどう評価し、タフな交渉にどう臨むか、相反する要求の優先順位をどうつけ、正解のない局面にどう対処すべきかを、自らの言葉で伝えることができるからです。
また、これからのメンタリングは、形式的なプログラムにとどまらず、日々の業務に深く溶け込んだ日常的な営みへと進化させていく必要があります。
この考え方は、留学やキャリアの第一歩を踏み出そうとする学生や若手ビジネスパーソンを支援するTM HR Study Abroadの活動とも深く結びついています。見知らぬ環境への適応力、自己肯定感の育み方、多様な職場文化への理解を深めることは、将来リーダーシップを発揮するはるか前の段階から、個人の成長を支える強固な土台となるはずです。
AIは業務のスピードを飛躍的に加速させるかもしれませんが、真の判断力を養うためには、今なお豊かな経験、適切な導き、そして何よりも手本となる人の存在が不可欠です。
