CASE

2023.03.31

山九株式会社 [人材育成スキーム設計・導入] プロジェクト期間:8ヶ月

組織人事コンサルティング
国旗

企画や設計だけでなく、実装や運用支援、フォローアップまで実際に手を動かして支援頂けるところが、リソースや知見が少ない我々にとって大きな安心感がありました。

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OVERVIEW

海外拠点のキーポジションを現地人材に置き換えるべく、現地人財の育成を加速させる企業は多いですが、その実現には時間がかかります。一方、育成を加速させるためには仕組みだけでなく、現地人財の「先生」として適切な日本人を安定的に送り込むことも必要な要件となります。
山九様は、現地人財の育成の加速、またその奥にある海外拠点のキーポジションの現地人財化を目指し、まずは日本人のグローバル化を加速することに着手されました。
その中で大事にされたことは、新しい仕組みを作るのではなく、各事業本部に既存するキャリア開発や人材育成の仕組みを残しつつ、そこにグローバル人財育成の観点を埋め込むこと、また各事業本部がバラバラの育成スキームを実装するのではなく、ある程度の共通性を持たせること、です。
これらのポイントを押さえることで、形ばかりの仕組みを作るのではなく、スムーズな実装と安定的な運用が可能な日本人のグローバル人財育成の仕組みを構築されました。

小川昌裕 海外統括本部 海外統括部長

南 知宏 TMHR Advisory & Coaching合同会社 CEO

CHAPTER 01

海外現地法人での人財マネジメントのご支援実績や知見の豊富さ、また実装や運用支援、フォローアップまで実際に手を動かして支援頂けることによる安心感が決め手でした。

本プロジェクトの立ち上げを決められた背景や理由は何でしょうか?

小川氏 弊社グループは、プラントエンジニアリング事業と、ロジスティックス事業・オペレーションサポート事業の3事業で構成されており、これらを有機的に結びつけた、世界でも類を見ないビジネスモデルを構築しています。
海外事業については、1971年に最初の東南アジア現地法人をスタートし、それ以来,東アジア・東南アジア、南米を中心に海外拠点展開を続け,現在では中東(サウジアラビア・オマーン)を含め41現地法人・1駐在員事務所を全世界でビジネスを行っています。
事業拡大のためには非日系企業へのアプローチが欠かせない中,弊社としても「真のグローバル企業」への転換が不可欠な状況を迎えており、現在その過程ではありますが、直近10数年で事業規模は3倍となり、人員や拠点も大幅に拡大しました。
急激に拡大する組織と人員の規模に合わせ、人財の質を下げないのはもちろんのこと、現地市場を攻略できる現地人財や国や法人を跨いで活躍できる現地人財の安定的かつ継続的な育成・輩出が不可避となっています。
海外事業はこれまで日本人財が現地に出向して拡大を推進してきましたが、海外各拠点で事業を推進できる現地人財は限定的で、彼・彼女らを育てることが必須であるにも関わらず、育成を担うべき日本人財も不足することが明白になっています。
日本人財のキャリア開発や育成については、各事業本部がフレームワークを持っており、それをベースに運用しているものの、海外対応できる人財を育成するための視点がしっかりと確立されていなかったため、それらを事業本部横断で設計し、導入、運用する必要性が高まっていました。

どのようなプロジェクトを立ち上げられたのでしょうか?

小川氏 最終的な成果物としては、各事業本部で毎年運用しているキャリア開発のプロセスに、意識的にグローバル人財育成を目的としたものを実装し、対象となる社員または社員群を特定して具体的な育成を開始することを志向しました。
そのために、まずは現状分析として各事業本部がどのようなキャリア開発のプロセスを運用しているのかを可視化するとともに、若手からベテランまでの約20人のキーパーソンにインタビューし、彼・彼女らのキャリア志向、特にグローバル感についても理解することで、それらを成果物へ反映させました。
現状分析の結果をインプットとし、グローバル人財の定義、能力の定義、事業本部別のキャリアパス、グローバル人財向け研修体系や各研修のシラバスなどを作成しました。
導入については、その後の弊社事業の変化や各事業本部との調整を経て、現在実装に向けて弊社チームが動いています。

このプロジェクトに弊社をお選びいただいたポイントは何でしたか?

小川氏 まずは海外現地法人での人財マネジメントのご支援実績や知見の豊富さがあると思います。実際に現地で直接手掛けられたプロジェクトが豊富であり、特に人財育成に関しては仕組み作りだけでなく、研修を現地で実施されるなど、企画から実践までこれまで豊富にやってこられていることが決め手でした。特に、企画や設計は得意でもそこから先はクライアント企業任せにするありがちなコンサルタントではなく、実装や運用支援、フォローアップまで実際に手を動かして支援頂けるところが、リソースや知見が少ない我々にとって大きな安心感がありました。
また弊社を中心とした物流やエンジニアリングの業界に関する知見が豊富なのもポイントでした。弊社は特に事業構造が複雑なため、その複雑さを理解していただき、それぞれの良さを消すことなく生かすようにプロジェクトを運営し、成果物を創出することが求められていましたので、TMHRさんのご経験や知見は弊社にとってぴったりでした。

CHAPTER 02

「各事業本部として大事にしたいこと」と「海外統括本部として大事にしたいこと」の双方のバランスをとることが難しかったのですが、TMHRさんは成果物にうまく反映してくれました。

プロジェクトを推進している中で、難しかった点や困難な点にはどのようなことがありましたか?

小川氏 これまでお話ししてきたように、3つの事業本部の事業特性が全く異なるため、海外対応人財を育成するスキームは基本コンセプトが同じでも事業特性に合わせ異なるものを設計する必要がありました。一方、海外統括部としてグローバル人財としての統一的な要件・レベル感や、中長期の経営戦略上、人財規模や時間軸についての各事業本部との合意形成が最も難しかったポイントの一つとして挙げられます。
また、既存する育成スキームは事業毎、資格毎に必要なスキル、経験、免許を精緻に体系立てたものであったため可能な限り活用し、そこにグローバル人財育成を付け加えることで、各事業本部が国内人財に求める要件を担保した上で、スムーズな立ち上げを図ることも求められました。
各事業本部との調整については弊社のメンバーで対応しつつ、TMHRさんには成果物の中で、「各事業本部として大事にしたいこと」と「海外統括本部として大事にしたいこと」の双方をうまくバランスをとって反映してくださったと思っています。

CHAPTER 03

こうした仕組みづくりは、高度な専門性と海外での知見や実践経験が必要になり、社内ですべてやりきるには限界があるため、専門家に仕組みづくりをお願いし、社内調整は自社でやりきるのが現実的。

御社のように、日本人財のグローバル化について悩んでおられる企業は多いと思います。そういった企業へぜひアドバイスをお願いいたします。

小川氏 日本の経済成長が鈍化する中で、海外に更なる成長を求める日本企業は多く、そのために現地人財の育成・活用に解を見出す企業も多いと思います。しかし弊社では歴史と事業規模の割に現地人財は育っておらず、相変わらず日本人財が海外でのビジネスをけん引しているのが実情です。まずは日本での事業や仕事のやり方を理解している日本人財をグローバル化させたいものの、遅々として育成が進まないという弊社と同じ悩みを持たれている企業の話もよく耳にします。
それには様々なアプローチがあると思っていて、全社共通の強力な仕組みと運営を行うのも一つですが、弊社のように各事業本部が中心となって異なる事業を遂行している企業にとっては、現状の人財育成の仕組みを大幅に変えることはせず、新たにグローバル人財のキャリアパスを明示、会社側と社員双方が将来に向けて共通認識を持ち、不足している育成を付け加えて、まずは動かしていくことも一つのやり方と考えます。
その分、どうしても擦り合わせに時間を要してしまう部分はありますが、主たる事業の推進にリスクを持たせず、抵抗感なくこうしたプロセスを実装するには、非常に現実的な打ち手であったと捉えています。
しかし、こうした仕組みづくりにおいては、高度な専門性と海外での知見や実践経験が必要になり、社内ですべてやりきるには限界があります。そのため、コンサルタントや専門家を使って仕組みづくりをお願いし、社内調整は自社でやりきるのが現実的だと考えます。
TMHRさんは仕組みづくりに関する人材マネジメントやグローバルの知見と経験を豊富にお持ちですし、また弊社事業の理解、特に現場を中心とした事業への理解が深く、まさにこのような案件には最適なパートナーでした。

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